個展紹介(還暦展)4回目(2001)

作品集のまえがき

 私は幼い頃から、何をしても、のろまで、のみこみが悪く親や先生から不器用だと言われて育ちました。

 書の習い始めも二十二歳と遅く、自分の仕事に自信のようなものが、芽生えたのは四十歳を過ぎてからです。

 愚鈍でもよい、自分になりきって生きようと、教えてくれたのは 道元禅師です。休まずに、こつこつ修行するという意味を持つ「行持」を庵号に戴いたのもその頃でした。

 長く書をやっていると、人為的になり過ぎて、糸がこんがらかるように、迷路に入ることがあります。そんな時「あれこれ考え過ぎなさんな。自然界はシンプルだよ」と聞こえてきそうです。

 自然界の不思議さを敬虔な心で学び、筆技を超えた書を書きたい。人生の峠に立って願うことです。

斎藤 史の歌(曼珠沙華)
斎藤 史の歌(曼珠沙華)
道元の「正法眼蔵を読んで」良寛の詩
道元の「正法眼蔵を読んで」良寛の詩

一期一会
一期一会
あしたてんきになあれ
あしたてんきになあれ

ともにいきる
ともにいきる
行持
行持
只管打座
只管打座

樹恩
樹恩
百樹圖
百樹圖

さくらさくら(日本古謡)
さくらさくら(日本古謡)
夕やけ小やけ(中村雨紅作詩)
夕やけ小やけ(中村雨紅作詩)

遊戯三昧(柿渋によるろうけつ染め)
遊戯三昧(柿渋によるろうけつ染め)
樹(柿渋によるろうけつ染め)
樹(柿渋によるろうけつ染め)

無財之七施
無財之七施
平心
平心