
日本建築家協会三重地域会が主催した立原位貫さんの
講演「木版画 江戸から現代その変遷を通して見えて
くる日本の創る力」を聴きました。
立原さんとは26年ぶりの再会です。四日市に住んで
おられた時は自宅に伺って、浮世絵、陶芸、書、絵画
などの話しに強く影響を 受けました。
立原位貫さんは私の「美の師匠」です。立原さんは浮世絵の復刻と「絵を描く」「彫る」「摺る」3工程をひとりで行う木版画家。1951年生れ. 以下は 講演の聞き書きです。
版木は 山櫻の根から2mぐらいを板目に使う。桜は粘りがあって、細い線が彫れる。以前は梓の木を使った。
和紙は楮、三椏を原料とするが、最近は酸性雨の影響で、繊維がそれに負けまいと頑張るから 強く太いだけの 繊維の紙しか出来ない。
絵具の原料は 貝、丹、べんから といった鉱物と植物。現代の絵具は一切使わない。基本色12色、それを混ぜて135種類になる。
江戸時代から伝わる技法を 独力で研究してきたから、後に続く人には
材料や知識は提供するが、教えないと言う。
立原さんの話しは 私の心底を 揺さぶる不思議な力があります。
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