江戸時代の良寛(1758~1831)は禅僧ですが、私にとっては大好きな
書人です。書を始めた時には その名は既に有名でしたが、1950年以前は 作家や安田靫彦(ゆきひこ)画伯など、文人には広くファンがいたそうですが、書壇ではあまり知られて いなかったそうです。
鈴木翠軒が「良寛の書は達文」つまり、自分の考えを述べて書く書、と高く評価していますが、昔の能筆家は 書美と哲学が一体化していたのですね。現代の
私達、書道関係者が 最も欠落している部分です。
私は 早くから「読める書」(調和体)を手がけて来ましたが、その基本は良寛でした。1970年代始めに一度 新潟・木村家を訪ねていますが、ただ「見学」しただけと言う印象です。本格的に興味を持ったのは、1978年(昭和53年)日本書芸院主催の「良寛展」以後です。
今回は今まで苦手としてきた「書与某氏」の臨書に挑みました。雪舟の模写が効を発して 書けたと思います。しかし、良寛の真骨頂は 深い厳しい線です。
そこを写し得ないのは 技術の未鍛錬と人間の修行不足です。
2015年5月21日(木) 小満 旧暦 卯月 4月4日 NO37
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きさらぎ (金曜日, 31 3月 2017 13:36)
良寛に惹かれ,良覚に落ち着こうとしています。そぎ落とされた心の美。自分磨き大変ですが頑張っています。