「世界でいちばん貧しい大統領のスピーチ」は人の生きる規範

5月中旬、ラジオで紹介されて この本を注文

したが、在庫なし。月末にやっと入手した。


この大統領は 南米ウルグアイのムヒカさん、

国民は親しみを込めて「ペペ」と呼ぶ。

2012年、ブラジルのリオデジャネイロで 開かれた国際会議で行った演説を意訳して絵本仕立にしたこの本は 在庫切れになるほど、人々に

感動をもって読まれています。

私はそれを転写しました。この惑星に幸せになろうと思って生まれてきたはずなのに、地球では戦争が続き、罪のない人々が死んでいる。また、働く人を使い捨てにする政治経済の仕組みが 人々の幸せを奪い、地球温暖化は生物の命の危機

を招いている。

その根源は何処にあるのだろうか? ムヒカ大統領は15分の演説の中で それを

明確に指摘しています。


昨年9月18日になくなった経済学者 宇沢弘文先生も 同じことを言っています。

「人間らしく生きる制度を考えていくのが 我々経済学者の役割」だとして、

社会的共通資本(医療、教育、自然、道路・交通機関、水道・電気)は利益追求の対象にしてはならないと、市場原理を優先する経済理論を批判しています。


NHK「戦後ニッポンの肖像」(5月31日放映)によると、1992年に経済同友会

16人が集まった。宮内義彦氏、牛尾治朗氏等は株主中心、米国型経営を主張し、

今井 敬氏、塙 義一氏等は 日本的経営、働く人こそ大切だと主張して議論したが、02年小泉内閣に「製造業派遣の解禁」を提言した。その結果、派遣労働者は増え、結婚も出来ない若者が急増したのです。


このような歴史の検証は、過去の責任ある人間が 規範をどこに置いて決定したかで、その後の事態が定まることを、教えてくれています。


未来の子たちが、大きくなって生き方に迷った時、この絵本は人生の規範になる

でしょう。


  2015年6月6日(土)芒種 旧暦 卯月 4月20日 NO38