円空・木喰展を見て

「河井寛次郎記念館」で木喰を知り、円空は自宅書架にある図録で知っている程度の知識でした。


名古屋松坂屋美術館で円空・木喰展を見ました。

7月12日まで

円空(1632~1695)は32歳から像を彫り始め 同時に布教と修行の生涯でした。

北海道、東北、関東、北陸、近畿、志摩を旅し敬愛する白山神社の「あなたの彫る像は仏の住む所」というご託宣に 大いに自信を持ち、

神社があれば神像を、寺院があれば仏像を、

民家には 小観音像を彫って与え、宗派にこだわらない日本人特有の 布教活動をしました。


12万体(浄界雑記)彫ったと言われていますが現在5400体が確認されているそうです。

御嶽山や乗鞍岳などを登拝した記録が残っていますから、山岳修験者でもあったのでしょう。


木喰(1718~1810)は名前が示すように「シイ・キビ・アハ等を食し、五穀は食べず

ふとんで寝ず、単衣で過ごす 身の丈6尺(180㎝)」の偉丈夫でした。しかも93歳まで 北海道から九州まで造像して歩いたそうですから、スケールが違います。残された像を

柳 宋悦が 大正13年(1924年)見出すまで百年以上眠っていたのですから、勿体無い話です。有名寺院に残る仏像と違って、過疎化で消えてしまいそうな集落に 多く残されていた像が これからの宗教や創作のありように 示唆を与えてくれそうです。 

   2015年6月22日(月) 夏至 旧暦 皐月 5月7日 NO39