幼児の書く字は 下手か?

幼稚園児の「筆遊び」は3年目になります。園児が作った俳句を 筆で書く試みです。もちろん 5歳児にとって俳句も筆も 生まれて始めての体験です。

私は 園児が書いた文字が大好きです。私たち書家は 字を習いすぎています。だから新鮮さが 失われてしまったのです。ところが 5歳児が生まれて始めて書いた筆文字には神々しささえ感じます。

幼児の字と同様、幼な心を持ち続けて 大人になった人の字も好きです。例えば

一部ですが、相田みつを・山藤章二・中川一政(掲載順)が書く字には 温かい

ふるさとの匂いがします。

このような字を「上」とするなら、教科書で習う字は「中」、乱暴で読みにくい字は「下」の悪書。

世の人は 教科書のような整った字が良くて、幼児が書く個性的な字を 何故「下手」だと 言うのでしょうか。

人々に訴える文を書くには その人しか書けない字を使って書いてこそ 人々に

インパクトを与えます。

字を磨く、人間を磨く。同じことですが、生まれながらに持っている資質を一生かかって磨いていく。5歳の子がどんな大人になって どんな字を書くようになるのか楽しみです。


 2015年11月23日(月)小雪 旧暦 神無月 10月12日 NO50


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コメント: 3
  • #1

    まきこ (金曜日, 27 11月 2015 22:57)

    なんと純真無垢な字でしょう。
    画像から楽しさと真剣さが伝わってきます。
    私も・・・このころの気持ちを取り戻せるといいなぁ~(*^。^*)

  • #2

    ひろみ (火曜日, 01 12月 2015 16:37)

    何とっても、本物の硯で磨った墨を使っているのが素晴らしいです!
    近頃は墨といえば墨液、硯と言えばセラミック製しか知らない子供のなんと多いことでしょう。人生の最初に出会う書道が本物でよかった!濃かったりうすかったり、にじんだりかすれたり、子どもたちホントに楽しかったでしょうね。

  • #3

    きさらぎ (月曜日, 20 3月 2017 15:48)

    自作の句を自分が書く、こんなに楽しいことはありません。最高だと思います。すばらしいご指導をなさっておられるのですね