申年の色紙を描いて思ったこと

「去年今年貫く棒の如きもの」(虚子)と

詠まれたように、あっという間に年末年始が

過ぎてしまいました。私は師走に入って一年で一番多忙な日々を過ごしたように思います。

地域のことや 家の正月準備に加えて、恒例の色紙揮毫に 多くの時間を費やしました。

「もう3匹のお猿さんを貰いましたよ」と言われて、四半世紀も書き続けていたことに気がつきました。

今回から年賀状づくりをワープロに頼りました。現代の先端の技術です。

それに比べて色紙は究極の手書き作業。その両方の世界を 行き来する内、昨年7月31日に亡くなられた現代の浮世絵の第一人者 立原位貫さん(本名勝原伸也・享年64歳)の言葉を思い出しました。「江戸時代の大工は一本の釘を打つにも熟練さが試された。しかし、明治10年ごろから効率主義によって 伝統技術は遮断された」と。

効率的なワープロの時間から 面倒な手書きの世界に戻った時 何故かホッとしたのですが、私達 物づくりの人間は自然の核から遠く離れてはいけないと強く思いました。

 

  2016年1月6日(水)小寒 旧暦 11月27日  NO53

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コメント: 1
  • #1

    hiromi (金曜日, 08 1月 2016 21:26)

    これ以上のお年賀状があるでしょうか!