夏目漱石の「吾輩は猫である」

1986年(昭和61年)第9回「長興書展」出品作。

この年の課題は「夏目漱石」。中国河南省でも

展示する企画でしたから、「吾輩は猫である」の冒頭部分を中国語で紹介する工夫をしました。

翻訳は 中国語を学び始めた親戚のおじさんに

頼み、漱石がスケッチした猫の絵をカットに

借用。筆は胎毛筆を使用しました。

 

夏目漱石(1867~1916)没後100年を記念してNHKドラマ「夏目の妻」が放映されました。鏡子夫人が 余り家庭的でなく、漱石が気の毒だと思って

いましたが、ドラマを見て 漱石の性格が家庭不和の因だとわかりました。

イギリスの留学から帰ってからの漱石は 現代で言えば「鬱病」、かなり重症だったようです。

そんな時、勧められて書いた最初の小説が「吾輩は猫である」です。家に舞い込んできた野良猫を 主人公にして書いたこの小説が、評判になって読者の支持を得、文壇の確固たる地位を築いたのでした。

それから、「坊っちゃん」「草枕」「虞美人草」「三四郎」「それから」「門」等、10年ぐらいの間に 後世に残る名作を次々と書き上げました。

   2016年10月23日(日) 霜降 旧暦 9月23日  NO72