
10月5日夜8時、ノーベル文学賞に
日系英国人のカズオ・イシグロ氏が決まったと言う発表がありました。
翌日の新聞記事の中に「自己模倣しない作家」と紹介されていました。
同じ事をしないことだと解釈したのですが、加山又造(1927~2004)もまた ひと所に留まらず
10年毎に絵が変わっています。40年程前から気になる人でしたが、どんな絵を描いているのか 全体像は知りませんでした。
このほど京都・高島屋(10月16日まで)で展示されると聞いて 観てきました。
戦後、日本画は因襲的な伝統だと言われて、滅亡するかもしれないと言う危機があったそうです。加山20歳のころです。先人の創った作品を模倣して、次から
次へと技法を駆使し、現代的な感覚で新しい絵を創造していく。
10年程前だったか「NHK日曜美術館」で制作のプロセス「紙・ゴムでマスキング(保護)しながら、エアブラシや噴霧器を使って墨を重ねた斬新な技法」を見せてくれました。その真剣な取り組みに圧倒されました。
展示場では 20代の動物画に始まって、30代には 俵屋宗達や尾形光琳に影響され、1970年代になると、大胆な裸婦を発表。私が加山又造を知ったのは
この頃からですが、それからでも画風は変わって来ています。
1975年(48歳)始めて中国大陸を訪れてから、日本画の講義をする代わり中国の水墨画を学び、新しい感覚を加えて 加山の山水画を創っていきました。
会場の「淡月」の前に腰かけ眺めていると、大胆な発想と繊細な感覚で創るべき
だと強く思いました。
2017年10月8日(日) 寒露 旧暦 8月19日 NO95
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