母の日を前に思うこと

5月13日は「母の日」。世の中の大部分のお母さん方は 子供さんたちから贈り物や 感謝の手紙をいただくと思いますが、「ラジオ悩みの相談」から聞こえてくる苦しみ、悩みを聞いていると「母原病」とも言うべき その源に「お母さんの愛情欠如」が見えてくるのです。

近年、先進国では お母さんの「母性の喪失」と「育児放棄」が問題になっています。

「一国の文明は その母の文明に基ずく」と言われるように、母親の子育ては 人間の個性を作り「家族」と言う最小の共同体を安定させる原点になる。

戦後、白いエプロンをつけて働く日本のお母さんを見た進駐軍が「日本の復興は大丈夫だ」と言ったそうですが昭和20年代、日本は貧しくても愛情と躾は しっかり出来ていました。ところが現代、「母である前に女である」みたいな風潮が流布していて、育児がおろそかになっているように思います。母親は父親が逆立ちしても真似の出来ない存在なのです。

幼児は「抱擁する」「語りかける」だけで安心と信頼が芽生えます。小さい子供に躾と称して虐待し、教育と言って年齢不相応な「知識」を押し付ける。

「3歳は3歳らしく、10歳は10歳らしく」年齢に応じて その時々を精一杯生きることが大切だと思います。

戦後の子供たちは 野原や川で遊びまわった。遊び半分、勉強半分の生活でしたが、成人して不都合なことは一つもありませんでした。寧ろバランスのとれた人間に育ったと思います。

母のゆったりした「情愛」は豊かな子供 いや人間を作ります。

 

  2018年5月5日(土)立夏 旧暦 3月20日  NO109