
4月23日NHKテレビ「プロフェッショナル」北海道の本屋さん岩田徹さん(66歳)の「一万円選書」を感動をもって見ました。
本離れが進み、危機的状況の中で岩田さんが編み出した「一万円選書」は筆文字離れの書道界にとっても、起死回生の素晴らしいアイディアだと思います。岩田さんは全国から応募した中から抽選して、一万円分の本を選んで送るのですが、現在3000人待ちと言う評判です。
岩田さんは お父さんの亡くなった後、商社マンを辞めて引き継いだのですが、出版社から送られてくる本を店に並べて、売れる時代は過ぎ、客足はどんどん遠のきました。虚無感を抱いて本屋を辞めようかと思って、高校時代の先輩に窮状を話したら、「一万円で俺に合った本を選んでくれ」と頼まれて渡したら、大いに喜ばれたそうです。「一万円選書」の原点です。
「一万円選書」の仕組みは 応募者にアンケート(カルテ)を書いてもらい、人物像を想定して その人に合った本を探します。一日に5人が限度。お客さんの一人には「送られてきた本が 私を救ってくれた」と感謝される程です。自分では決して買わない本を 岩田さんは探してくれるのです。
書道界は 社会に対してどれだけの貢献をしているのでしょうか? 日展などの
公募展、「書道教室」は役割を終え、時代の要請に応えているとは思えません。阪神淡路大地震で被災した人々が「相田みつを」の書を掲げて力を貰ったと言う話は有名ですが、一般大衆が 書に何を求めているのか?を考える時、岩田さんの「一万円選書」は色々な示唆を与えてくれます。
2018年6月6日(水) 芒種 旧暦 4月23日 NO111
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