徒然草「高名の木登りといひしをのこ・・・」

7月3日(火)のサッカーワールドカップののベルギー戦は 多くの日本人が熱狂的に観たと思いますが、私もその一人です。二点先行で 同点にされ、ロスタイム12秒に逆転されて、思わず天を仰ぎました。

試合後のインタビューで西野朗監督が「何が足らないのでしょうか」とうめくように発した言葉が印象的でした。

私の脳裏に咄嗟に浮かんだのが、徒然草「高名の木登りといひしをのこ・・・」です。

この徒然草の一節は 中学3年生の国語の時間に教えて貰ったものですが、妙にこの部分だけは鮮明に覚えていて、非常時にも 作品を書く詰めの時も「高名の木登りといひしをのこ<男>・・・」と唱えながら大事な場面で 対応している自分がいます。

原文は文語体ですから、解りにくいですが、木登り名人が 人を指図して、てっぺんの枝を伐る作業をしているのですが、高い危ない所では 何も言わず、下の方に降りて来てから「気を付けろ」と注意する。

吉田兼好が「なぜか?」と問うている場面です。

 

少年時代の私達子供は 屋敷の大木に登って遊んでいました。この部分を自分流に解釈して「足が届きそうな位置にきても、確実に足が地面に着いてから手を放す」ことを学びました。

「最後の最後まで 神経の糸を張り、あらゆる場面を想定して一段落するまで手を抜かない」子供の時から現代まで一貫して持ち続けている私の金科玉条です。

 

  2018年7月7日(土) 小満 旧暦 5月24日  NO113