四国の祖父(おじ)

一昨年亡くなった従兄の息子さんが 訪ねてくれました。現在、愛知県に住み、一人暮らしのお母さんの為に 何時も帰省して面倒を見ています。

話が彼の子供さんに及びました。「今度 留学する娘が お祖父さんを借りていくからね」と言うのです。「どう言うこと?」 「それぞれの子供達が大切な局面で お祖父さんと共にいたいらしいのです」

私はこの話に感動しました。私も似たような経験をしたからです。昔、「ふるさと文学賞」に応募した中に「祖父」の事を纏めた原稿があることを思い出して 探して見ました。それが上に掲げるエッセイです。(黒塗りしている部分は存命している親族に配慮しました)

私が8歳の時、祖父の人魂を見て、身内を思う気持ちの深さを 身に沁みて感じておりました。人魂なんて非科学的で 友人たちに話しても信じてもらえませんでしたが、私は心からこの事態を信じ、人生の節目に出合う難題は 自分の力だけでない、何かに後押しされていると言う実感がありました。それが自信にもなり、力にもなったのです。

時を経て、私も孫を持つ年齢になりました。孫に対して無条件に守ってやりたいと言う気持は 時空を超えた無償の本能とも言うべきものかも知れません。

 

 2019年(令和元年)7月23日(火)大暑 旧暦6月21日 NO138