
11月15日から17日まで「能面&書展」を開催しました。初日訪れた婦人(能面を打っている人)から「どんな意図を持って能面と書を融合させようとしているのですか」と問いかけがありました。「同級生の山尾年一君の打つ面と書を一緒に飾っただけです」と答えましたが、少し恥ずかしい気がしました。
600年も前から伝わる能楽は 我が国の伝統芸能として最高の地位にあります。能楽と共に伝わってきたのが「能面を打つ」技術です。
冒頭の婦人は「面の右の目は陰の目、左目は陽の目。その違いを表せたら一人前と言われます」と教えてくれました。面づくりは能楽の後支えとは言え、重要な役割があるものだと知りました。
この展示が終わった3日後、NHK「歴史ヒストリア」で「風姿花伝」を表した「世阿弥」が登場しました。猿楽から能楽と言う芸術を打ち立てた観阿弥を父に持ち、12歳の時、権力者・足利義満の目に留まり寵愛されます。能楽が発展する素地に恵まれました。
増阿弥などのライバルの出現で、益々能楽の深みを探り、「風姿花伝」を書きました。直筆は36世観世宗家の観世清和さんの家に伝わり、後の人に影響を与えます。宇宙飛行士の野口聡一さんは宇宙船に持ち込む程の愛読書。ジャパネット高田の元社長高田明さんは「世阿弥の教えの中にショッピング人生があった」と言います。
山尾年一君とは、10年後二人共元気でいたら 再び「能面&書展」をしようと約束して別れました。又一つ目標が出来ました。世阿弥の言葉「初心忘れるべからず」です。
2019年(令和元年)11月22日(金)小雪 旧暦10月26日 NO146
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