
大岡信さんの「精選・折々のうた」を読んでいたら、白楽天(白居易)の詩「友・殷協律に寄せる」の中に「雪月花」の語句が出て来ました。
「五年の間、君とゆったり暮らしたが、忽ち浮雲の如く離散してしまった。琴や詩や酒の友は皆、我を抛(なげうっ)て去ってしまった。雪月花のような良い季節になると君を最も憶う」(右の作品釈文)
「和漢朗詠集」(1012年・藤原公任撰)に白楽天の詩が多く集録されていて「雪月花」の語句は古今の人に愛されました。「白楽天」は唐の詩人ですが、同時期の「李白」「杜甫」と較べても抜きんでて 平安時代の日本人に崇拝されたようです。
書を始めた時から 漢詩は公募展に出品するための作品の部品のような扱いでしたから、漢詩を味わったり、自分の心情に添うような選び方はしていませんでした。日展の書が人々に支持されない理由だと思います。
明治・大正生まれの先輩の先生方は 漢詩の素養は書家として必須条件でしたが、書道ブーム到来と共にその条件が緩くなり、書道文化の劣化を招きました。
2020年(令和2年)1月20日(月)大寒 旧暦12月26日 NO149
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