
「新型コロナウイルス」は世界中で猛威をふるい
日本でも1万5,057人が感染し、510人が亡くなっています(5月4日現在)。人々はこれ以上拡がらないように自粛が求められて、スポーツも音曲も消え、中小企業が倒産したり解雇されたり、学校の休校が続いています。都会のふだんの喧騒は嘘のように閑散とし、私の住んでいる農山村地域でも公民館活動は禁止され、スーパーだけが活況を見せています。「緊急事態宣言」は5月31日まで再延長されて、国民の疲労は相当に深まっています。こんな状況は何時まで続くのでしょうか?

ちょうど100年前、「スペイン風邪」が多くの命を奪いました。世界では6億人が感染し、2,300万人が死亡。日本でも2,100万人が感染し、45万人が亡くなっています。
当時の日本の人口が5,600万人の時ですから、5人に2人の割で感染し、0,8%強の国民が亡くなりました。
私の身内にも 父の兄姉が二人亡くなっています。既婚の伯母(享年20歳)と伯父(享年18歳)が1920年2月と3月に続けて死亡しました。
その時、7歳(父)と4歳(叔母)の幼児が一緒に生活していたのですから、当時40歳代の祖父母は気が気でなかったと思います。今のように医療も情報も無い時です。
「スペイン風邪」の歴史が教えてくれることがもう一つあります。1918年7月から1920年5月まで流行の波が三つもあり、二波が収束した半年後の冬に再び、三波の感染が始まったことです。今回の「新型コロナウイルス」も医学の進歩の恩恵はあるものの、目に見えないウイルスへの対処法は100年前と一緒です。
この「新型コロナウイルス」は いつかは終息する。ヒト・モノ・カネが止まると人々の暮らしが破たんする都会の弱さが露呈し、農山村では 何もなかったように農作業しています。この構図は都会と地方のバランスを考える契機になればいいと思います。先祖の日本人は あらゆる困難に打ち勝って 立ち直ってきた経験があります。「スペイン風邪」が終わった三年後「関東大震災」(1923年9月1日 10万5千人死亡)も乗り越えて来たのですから。
2020年(令和2年)5月5日(火)立夏 旧暦4月13日 NO156
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