コロナ休業中の創作三昧

「緊急事態宣言」が出て、私の住む地方でさえ、何もかも積極的に自粛し、人々は逼塞状態です。公共施設は使用不可、私も出張レッスンによって糧を得ているフリーランスですから、大幅な収入減ですが、時間はたっぷり出来ました。

そこで日頃出来ない創作プログラムを 試みる事にしました。いつもなら自由な時間が3日間取れた時だけ、作品作りをするのですが、準備、構想、揮毫と慌ただしく進めます。ところが一ヶ月間もあると「ああでもない、こうでもない」とイメージし、庭木の剪定やたき火をして汗を流し、古典などの文献を余裕を持って眺めることができる。このゆとりが創作には大切なのです。

教えることは「論理」が脳の大半を占め「感性・イメージ」は片隅に押し込まれます。作品を書く事は その反対で「理屈」は邪魔になるだけです。書道の先生の書く作品がつまらないのも、この辺に原因があるのかも知れません。

私は 久しぶりに至福の時間を堪能しました。

17年ぶりに書く般若心経は、欧陽通の楷書を集字

して、縦版にしました。36年前の日展に出品した「菜根譚」(200×75㎝)は「功績と過ちは少しも混同してはならぬ。混同すれば人は惰堕の心を懐く」<リーダーの心得>私の好きな言葉です。

創作過程で気付いたことは 何十年もの間に「引き出し」が出来ていたことです。無為に過ごしていなかったと 少し安心しました。

 

 2020年(令和2年)5月20日(水)小満 旧暦4月28日 NO157