
コロナ禍の影響で テレワークとか言う新しい様式が現れて、人物の背景に映る景色が 妙に気にかかるようになりました。
それがカーテンや絵画、本棚であったりして、その人の美意識や趣味や教養が解って面白い。
私は仕事柄、どんなに小さくても画面の中に書作品に出合うと目ざとく探索しようとします。
ある日、ジュディオングさんの「ザ・インタビュー」をテレビで見ていたら、彼女が行きつけのレストランの壁に 意味は解りませんが「藏百読萬」と読める魅力的な作品がかかっていました。

普段習う正しいカタチとは違う異質のカタチで、私はその造形に興味を持ち、即座に筆を執って「青山不動 白雲去来」と書きました。(筆は「銀鶏」)
「普段から常識的な文字しか書けないなあ」と改めて思いながら書いたのですが、中国の古典を基に勉強してきた私は 画家や詩人のような装飾性に富んだ字は書けないと思いました。
「青山不動 白雲去来」は本来「青山元より不動にして、白雲自ずから去来す」(景徳伝灯録)の類句で「青く聳える山は 常住不変の仏の姿。白い雲がその周辺を無心に去来している」
私たち人間は 妄想や煩悩をもって生きていて、迷いや悩みを救ってくれるのは厳然として動かない自然の姿 即ち「真理」であると言うのが、この詩の大意だと理解しています。
2020年(令和2年)7月22日(水)大暑 旧暦6月2日 NO161
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