行持庵

私が書壇を辞めたのは1994年(平成6年)53歳の時です。辞めた理由は色々ありますが、父の看病を永年続けた母がおかしくなり、その上 妻の体調が崩れた事が主な原因です。

書の修行には指導者が不可欠です。私の場合、栗原蘆水先生の書生9年の間に 雑用の傍ら、揮毫の呼吸などの極意を身につけていました。

不安な材料と言えば、日展など競合の場が無くなったことですが、その心配を吹き飛ばしてくれたのが「行持」と言う教え。

 

「行持」は道元の「正法眼蔵16巻」に収められていますが、難解で厳しく 歴代尊者のような修行は絶対無理

ですが、書道と言う杖をついて生涯「コツコツ書き続ける」ことは 私にも出来るかも知れないと、仕事場に

「行持庵」と言う看板を掲げて、目標としたのです。

その精神で書き溜めた作品が 箱の中からたくさん出て来ました。

コロナ禍で自由な時間があり、整理整頓できたのが良かったのかも知れません。

 

揮毫した年月、釈文、寸法を記録作業をして行く過程で、ふと「傘寿展」をして見ようと思いつきました。

こんな時期ですからなるべく三蜜を避け、私のブログの中で 作品を紹介させてもらおうと計画しています。来年5月14日~16日、スズカ画廊を予約しました。

 2020年(令和2年)10月8日(木)寒露 旧暦8月22日 NO166

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コメント: 1
  • #1

    菊池征紀 (木曜日, 15 10月 2020 11:15)

    書道と言う杖をついて生涯コツコツ書き続けると言う言葉に感銘を受けました。
    今年はコロナと猛暑日が続く毎日でしたが、何とか乗り切ることができました。
    来年5月の「傘寿展」を楽しみにしています。