
師走に入って、恒例にしている色紙を書いています。「二回りの干支の色紙をもらった」と言う人がいますので、四半世紀以上は続けていることになります。
私にとって面倒なことでもありますが、技術を高める収穫の時でもあるのです。

今は亡き鈴鹿市出身の絵本作家 伊藤昭先生のアドバイスを受けて始めた花のスケッチは目に見えて 筆の力を伸ばした記憶があります。
文字の臨書だけでは 気が付かないことがあります。
文字は点画の位置が多少ずれても 長短があっても読めますから、安易に妥協しますが、人間や動物の顔を描くとき、鼻面をちょっとでも違えると他の動物になってしまう。そこに物を見る真剣さや集中力が鍛えられると思うのです。
日展に出品していた頃、臨書は作品の雛形を作る為の方法だと思っていました。
文字数を数えて、漢詩を選ぶような 今から思えば、恥ずかしい勉強法でした。
しかし、木簡残紙を研究するようになって、古代の人が書いた不定形の文字は
点画がそこにあるべくして、あるように自然です。何故だろうと秘密を探っている内、40年経ちました。
私が好んで書く日本の古典は 空海や良寛があります。比較的新しい所では中川一政が好きです。書の臨書や絵の模写は 自分の我儘な勉強方法を正してくれますし、鑑識眼を上げる効果もあります。
2020年(令和2年)12月7日(月)大雪 旧暦10月23日 NO170
コメントをお書きください