書初め

書初めをしようと思って「年々歳々花相似たり、歳々年々人同じからず」に出合いました。作者は「宋之問」です。

ところが、その前段に「古人復た洛城の東に無く 今人還た対す落花の風」の句がつくと作者は「劉希夷」になる。

何か謎めいた逸話がありそうです。

宋之問(656~712)は劉希夷(651~679)の叔父さんです。また、娘婿とも伝えられていますが、余り評判は良くありません。匿われていた恩人張沖之を密告して出世した陋劣な人間。劉希夷の作ったと言われる

「年々歳々・・・」を譲れと強要して断られ、暗殺したとまで伝えられています。。

劉希夷は25歳で進士試験に及第しましたが、任官せず各地を放浪しました。物事にこだわらず、酒や音楽を好み、琵琶の名手でもあったそうです。

このような物語を 想像しながら書初めをしました。(右)1450年も前の初唐時代、こんな壮絶な詩作競争があったとは、驚きです。

 

2021年の社会も コロナウイルスの災禍の中で明けました。花や草木は 去年と同じですが、私達人間は同じからずです。

 

2021年(令和3年)1月5日(火)小寒 旧暦11月22日 NO172