筆戯三昧

「遊びせんとや生まれけむ、戯れせんとや生まれけん」

(梁塵秘抄)の一節がふと口に出るほどに、昨今の私は 

筆と戯れています。

私は時々幼児のようだと思うことがあります。筆をおもちゃに遊んでいるみたいだから。

書でも絵でも筆を使うことが楽しい。テレビを視ても

本を読んでも感動して何か閃いたら すぐ書く。

このような光景は 少年時代のあの頃と重なります。

70年前の田舎の子供達はみんな遊び上手でした。木の枝を伝って渡るターザンごっこは危険と隣り合わせでしたが、今も足裏に あの時の感触が残っている。雪が降ったら、孟宗竹を伐って来て スキーを作る。先の方を火で焙って曲げるやり方は 大きい子の真似をするのです。

また、ミカン箱を利用して自分の車を作る。その出来栄えを友達と競ったのも 昨日のように思い出します。

こんな遊び心が途切れず、ズーと続いて現在に至り、書の創作に役立っているのですから不思議です。

 

昨年からコロナ禍が続いて大変ですが、私の場合は 創作癖が身につきました。

心いっぱいこの状況を楽しみ、書いて行きたいと思います。「筆戯三昧」です。

 

 2021年(令和3年)2月3日(水)立春 旧暦12月22日 NO174