荀子語録

文芸春秋5月号の中で 元官房副長官の古川貞二郎さんが「誰が官僚を殺すのか」と題して特別寄稿しています。政界・官界の目に余る不祥事に対しての警告です。何故このような国になったのか。

 

二千年も前の思想家で儒学者の荀子(じゅんし・紀元前313~238)はたくさんの言葉を後世の人々に残しています。どれも当たり前のことを言っているのですが、二千年経っても 規範になる倫理は不変です。

仁心(情けの心)を以って説き、学ぶ心を以って聴き、公心(かたよりのない心)を以て弁ず

我を非として當る者は吾が師也、我にこびつらう者は吾が賊

終身の楽しみありて一日の憂いなし(一生の目標があれば 日々の小さな心配事など気にならなくなる)

流言は智者に止まる(噂話は賢い人のところで止まる)

道は近いといえども 先ず足を踏み出さなければ行き着くことは出来ない、物事が小なりといえども 始めなければ完成しない

君は舟也 民は水也 水は舟を載せるが亦覆すこともする(権力者よ 人民をバカにするとしっぺ返しを食うぞ)

 

大塩平八郎など著名な先人たちも「荀子」の言葉を敬い、生きる規範にしています。私も今まで「荀子の語」と言う事を余り意識せず、言葉に感銘を受けて作品として書いていました。

人間の性を悪と認め、後に学問を修めるなどの努力によって 善に向かうと言う「性悪説」をとっていますが、荀子の教えを韓非(かんび)、李斯(りし)浮丘伯(ふきゅうはく)が踏襲し、中でも浮丘伯は漢代の儒学に影響を与えました。

 

 2021年(令和3年)4月20日(火)穀雨 旧暦3月9日 NO179