
5月14日から16日の「溪水書展」は無事終わりました。コロナ禍の下、緊張の連続でしたが、大きな収穫を頂きました。
私が三十代前半、書道教室で教えた少女と50年ぶりの再会をしました。半世紀の人生は双方にとってドラマのようなもの。彼女は教職につき結婚して子供を育て、息子さんをこの春、社会に送り出したそうです。

私の方も彼女たちを教えていた頃、書壇の中での出世か、作品を書いて生きる道をとるのか悩んでいました。紆余曲折を経て、今回の傘寿展開催に辿り着いた話をしました。
40年ぶりに逢った友人は、電話や手紙では交流があるものの顔を見るのは久しぶり。私の若い修行時代を知る一人です。
1991年一回目の個展を開いてから 今回で8回目になりますが、毎回見て下さった方もおられました。
幼なじみの友人から「俺にも読める書を書け」と言われたのが発端で 始めた「読める書」の試みも良寛の臨書や幼児の文字を参考に 楽しく作りましたが、 地元で活躍する書家から「奥行きがある」と言う高評価を頂きました。
地元の広報誌に この催しが紹介されたこともあって、未知の観覧者の方が多く熱心に見て下さったのは嬉しいことでした。その一人の方とのやりとり。
「あなたが溪水さん?」
「はい、そうです」
「80歳?」
「はい」
「この作品は何時書かれたの?」
「去年の10月です」
「勢いがあるから まだまだいける」
最高の励ましの言葉です。
10年後の「卒寿展」の夢が頭をよぎった一瞬でした。
他府県の友人や地元の高齢の方は コロナの影響で ご来場いただけませんでしたので、後日、書展の様子を作品集にまとめて、ご報告したいと思います。
2021年(令和3年)5月21日(金)小満 旧暦4月10日 NO181
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菊池征紀 (金曜日, 21 5月 2021 16:33)
傘寿を記念して「溪水書展」を開く計画をお聞きしてから、久し振りにお会いできるのを楽しみにしていたのですが、コロナの影響で、残念ながら見に行くことは出来ませんでした。
ホームページ「二十四節気・つれづれなるままに」で傘寿展の様子を紹介していただくのを待っていました。
今回も松井先輩の「やる気との元気」のパワーを頂きました。
「二十四節気・つれづれなるままに」は節気が来るのを、毎回、楽しみながら拝見しております。
立派な作品と含蓄のある言葉に心を癒されております。
ありがとうございます。