「溪水書展」作品集と私の八十年

二十四節気の「大暑」の名の通り、気温は30度を超え、コロナに加え熱中症の心配があります。

書展が終わって2ケ月経ちました。コロナの感染の中で書展を開催した時、遠方の友人や高齢の知り合いの方には、ご来場を自粛して下さいと、失礼なお願いをし、その時、紙上展覧会の形で紹介しますとお約束をしました。今日、その作品集の最終校正が届きました。

33点の中には2mの長条幅もあれば、小品も含まれています。陳列計画を進める中で会場の形態から、隙間作品で繋げないと息苦しいと判断して、敢えて軽い作品を採用しましたが、それは作品集には反映されていません。

 

どうして書道の世界に入ったのか その経緯を「八十年」と題して記録に残すことにしました。たくさんの方々の恩恵がありますが、特に影響を受けた先生方のことを書きました。

中でも書道の師匠「栗原蘆水先生」は 書道芸術の視点からよりも 企業的な分野に優れていて仕事の仕方やアイデアに学ぶことが多くありました。

しかし、私を一人前の書家にしたのは栗原蘆水先生です。その先生の良いところも悪いところも含めて 書生9年の間に実像に触れられ、学べた事は幸いなことでした。まるで実の父親から受けるDNAのように 先生の核を受け継いだと思っています。

 

書道の世界は 1970年代ごろから約半世紀間「展覧会書道」「教える書道」の繁栄期と、それ以前の「書道芸術」模索の時代がありました。

コロナ禍の中で人々は 新しい価値観を探して、光明を見つけようとしています。願わくば 書道界も今の混迷期を脱する智恵を 出してもらいたいと思います。

 

 2021年(令和3年)7月22日(木)大暑 旧暦6月13日 NO185