表現者に学ぶ

ドラマや歌謡番組を見て 感動することがあります。最近のものより昭和の方が良く出来ていて「さすが」と思わせる脚本家や作詞・作曲家は圧倒的に昔の人。

向田邦子・市川森一・ジェームス三木・なかにし礼・阿久悠・浜銈介などざっと上げただけでも 多くの人が故人になっています。彼らが活躍した年代は世の中が熱かった。

最近見た歌謡番組で「なかにし礼・阿久悠・浜銈介」のヒット作品の誕生の由来と分析の説明を聞いて、その深さと言葉の重みを知りました。

なかにし礼さんが 満州から命からがら引き上げてきた体験は「私はその時から大人になった」と言うように、私より二つ年上とは思えない重厚さがあります。私はその頃、田舎の山や川で子供らしい遊びに明け暮れていたのですから。

表現者には才能は必要です。しかし、「なにを表現したいのか」が核にないと、

ただの「上手いだけの人」になる。最近の歌やドラマに感動しないのは中味に芯がないからです。

永らく書に関わって来て、漢詩の内容も理解せず、創作するんだと偉そうに嘯いていた30代、これでは恥ずかしいと気づいた40代から 他の分野で活躍するエンターテイナーを含む芸術家たちを「表現者」として、見習ってきました。

今夜も「大地の子」の最終回を見ながら、人間の崇高さに浸ろうと思います。

 

2021年(令和3年)8月23日(月)処暑 旧暦7月16日 NO187