
「パルスオキシメーター」は覚えにくくて、聞きなれない言葉ですが、コロナの感染で 急に脚光を浴びて来ました。私も一昨年11月 藁の粉を多量に吸い込んで肺炎になった時、レントゲン撮影とパルスオキシメーターの値を見て、即入院を言い渡されました。洗濯バサミのような機器に指を挟んで 肺の状態が解るのですから、嘘のような話ですが、コロナ禍の今、各家庭にも出回り、世界の人々も恩恵を受けています。

この機器の原理を発明したのが、日本人の青柳卓雄さん(1936~2020)です。新潟県長岡市生まれ、島津製作所を経て日本光電工業に(1971)入社。論文を書くより 役に立つ物を作りたいと言う根っからの職人。1987年アメリカ呼吸生理学の権威セバリングハウス博士が来日して、世界に紹介したことから発明者として知られるようになりました。
その原理とは 肺に流れ込んでくる血液に酸素が結合して、心臓に戻り、全身に運ばれる。配り終えた血液(静脈血)は黒めの色をしています。赤血球に含まれているヘモグロビンは酸素とくっつく性質があり、血中のヘモグロビンに何パーセントの酸素が結合しているか、肺からどれだけの酸素を取り込めているかが解る。たくさんの酸素が結合している状態の時は明るい赤色、結合が少ない時は黒みがかっている。
上の右の図は 小学生でもわかるように 酸素の結合割合(飽和度)を100%と75%に分けて図示したものです。
パルスオキシメーター」は爪の赤みに光を当て動脈血の中の酸素を測るのです。健康時の値は高齢者で95~97%、若い人なら98%。75%の数値は呼吸不全の状態で 肺の機能が失われていることを示しています。
2021年(令和3年)9月7日(火)白露 旧暦8月1日 NO188
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