
今月12日に投開票された「三重県知事」に一見勝之さんが選ばれました。
一見さんは亀山市太森町出身、お母さんは私と同級生。一見さんの生まれ育った故郷は 秋はコスモス、春は桜並木で近在の見物客がカメラを持って訪れます。まちづくりは「良い提案には皆がすぐ賛成」するらしく、一見家の周囲500mの所に東大卒が3人いると聞いて、この地域は開放的な明るさがあると感じました。事前に配付されたパンフレットを読んで、一見勝之さんの円満な人柄が伝わってきます。勉強一筋の青白い秀才ではなく、生家の酒屋さんを手伝ってビールのケースを配達した少年時代のエピソードを知ると 親御さんの育て方に頭が下がります。また、サッカー・空手・登山などのスポーツだけでなく、フェルメールやカミュー・ピサロなどの難解で奥の深い絵画を好み、中国三国志の諸葛孔明のことば「鞠躬尽力」(きっきゅうじんりょく・身を慎み誠心誠意全力で尽くすこと・後出師の表第八章)が座右の銘だと言うから 一見さんに関心を寄せるのは私だけではないでしょう。
私が「三国志」に興味を持ったのは 1981年に放映された「長江」(歌手のさだまさしさんが中国中央電視台と共同で制作)を見た時からです。その中に路上で「三国志」を語る人がいて、その面白さに惹かれたのが中国史入門の始まりです。その後、陳舜臣の「中国三千年の歴史」「十八史略」や司馬遼太郎の「項羽と劉邦」など夢中で読みました。
紀元前二千年の「夏」から始まって「殷」「周」「商」「秦」「漢」「三国時代」「随」「唐」「宋」「元」「明」「清」「中華人民共和国」の帝国の栄枯盛衰は 国家だけでなく、各個人の生きるヒントが隠されているように思います。
「三国志」は史実8の割合で劇化され、馴染みの深いものですが、諸葛孔明が宿敵「魏」を討伐の際、出兵に当って詠んだ「後出師の表」(すいしのひょう)は有名で「臣であるわたし諸葛孔明はただ誠を尽くし<鞠躬尽力>。命の有る限りは先帝・劉備の恩に報い、宿敵「魏」を討たなければ死にきれない覚悟です。その成否が成るか散るかは 予見できません」と、悲痛な決意を述べたものですが、これを好きな言葉として 知事選の出陣に臨んだ一見さんのこれからの政治に期待すること大です。
2021年(令和3年)9月23日(木)秋分 旧暦7月16日 NO189
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