英語も書も遊びから

NHK朝ドラ「カムカムエヴリバディ」もまもなく終了します。「証城寺の狸囃子」の替え歌で英語の歌が聞こえてきました。1946年NHKラジオ「英会話講座」がスタート。担当した平川唯一さん(ひらかわただいち・1902~1993・ドラマではさだまさしさんが演じています)はアメリカに出稼ぎに行った父を追って渡米。17歳で小学校へ入学して、6歳の子供と一緒に英語を学んだ経験が「遊びから学ぶ」アイディアを生んだと言います。ラジオ番組は「カムカムおじさん」と呼ばれて大人気だったそうです。

その平川さんが「英語は勉強するから喋れないのだ。遊びから学ぶと喋れるようになる」と言われます。

 

書道の世界も半世紀前には書道塾が繁栄し、書道人口が増えました。その割には筆を使った文化は定着していません。展覧会で発表される作品も貧弱化して、ワクワク感がありません。いろんな原因が考えられますが、幼少期から習う筆文字は「勉強」だから身につかないのです。縄跳びのように「遊び」にしてしまえば書く事に苦手意識はなくなると思います。

私は10数年前から 地元の幼稚園と小学校を対象に 書の面白さと多様性を伝えようとボランティア活動をしてきました。今年はコロナウイルスの感染予防ですべて中止になりましたが、幼稚園の「筆遊び」は半切版の見本を渡してありましたから、園のスタッフの指導で作品が出来ました。普段から筆を持ったことの無い人が教えるのですから、より子供の自我が出やすくなります。それがまた良いのです。書かれた幼児の作品を見て、文字が定まる前の古典「木簡残紙」から書の発想を得るように 生まれて初めて書いた6歳の筆文字から 書作のヒントが湧いてきます。

 

 2022年(令和4年)3月21日(月)春分 旧暦2月19日 NO200