子供の日にあたって

今日は「子供の日」。15歳未満の子供の人口は 1,465万人で減少が続いているようです.政府は「高齢化少子化」対策として力を入れているようですが今のところ効果は出ていません。現代は子供が生きにくい時代なのです。

先日、養老孟司さんが興味深い話をしていました。「子供は自然・感覚の世界で生き、大人は脳の世界で生きる」「黒板に白いチョークで黒と書いたら、子供は白じゃないかと言った」。私達は大人の理屈で子供達に「常識」を押し付けているのではないでしょうか。もっと感覚を養成するような環境で育てるべきではないでしょうか。

「私達の子供時代は・・・・・」とは余り言いたくないのですが、遊びと勉強の割合は6:4あるいは7:3ぐらいで、校庭で遊び、家に帰ってからも暗くなるまで遊びました。遊びで培った感覚が 後の時代に役立っています。

小学生も停学年と高学年がかく書や絵に変化があります。書に限って見ても大きくなるにつれて つまらなくなりますが、幼少期に書くものは魅力的です。

書暦60年の私も 感覚と理屈の葛藤で苦しんできましたが、芸術を求める者は感覚を磨かなければ 良いものは書けません。「理屈や知識は河を渡る筏のようなもの。渡ってしまえば乗り捨てよ」と中川一政は言いました。

今月中旬、コロナウイルスの感染防止で中止になっていた「デカ書道」を実施します。対象は小4.大切にしている言葉「言魂」を前もって送って貰って、紙の形(タテ・ヨコ・方形)と書体を決め、それを基に見本を書きます。「自分を信じる」「心を整える」「潤う人生」など10歳ならではの言葉ですが、感覚人間から理屈人間に移行する微妙な年齢、どんな作品に仕上がるか楽しみです。

私の今回の言魂は「正直親切」にしました。

 

  2022年(令和4年)5月5日(木)立夏 旧暦4月5日 NO203