朝、ウオーキングの途中、農道で脱輪している軽四輪トラックに出会いました。救助する一員に 私も加わりましたが、びくともしない。そこへ40代の若者が来た。「ジャッキを外して、タイヤを持ち上げよ」と指示して我々もそれに従いましたが、ものの1分も経たぬうち、トラックは道路上に引き上げられました。ピンポイントで急所を見つけ事を動かす。少ない労力で最大の効果を上げる。
普段から土木工事現場で、実践を重ねている人らしいなと感心したものです。
私も長年書道をやって来て、創作を成功させるコツは ピンポイントにあると思っています。筆を握らぬ日はありませんが、書く対象が決まると、構想を練りながら準備をします。この構想が一日かかる時もある。墨も磨れた、紙も決まった、筆も決まった、頭の中で構図も出来た。そうした中でピンポイントを探っているのです。成功することもあるし、失敗することもある。こんな作業を日常的に続けていると、不思議なことに全く異なる分野のことも その急所が解ります。
高校野球も22日が決勝戦、仙台育英が優勝。数々のドラマを残して、閉幕しました。著名人が書く「観戦記」の中に「英雄たちの選択」の歴史学者・礒田道史さんの投稿に興味を持ちました。「池田高校の蔦文也監督」は甲子園球場の歴史を彩った名物監督ですが「鍛錬千日の行、勝負一瞬の行」と言う言葉を紹介していました。「行」とは人間の持つ潜在的能力を引き出す修行、つまりトレーニングのこと。一瞬の勝負の勘所を養う必要性を蔦文也監督は説いているのだと思います。
この夏、郡上八幡の子供たちが 高い所から川に飛び込む風景をテレビで見ましたが、私達も子供時代、川遊びの中で 一瞬の判断を養っていたんだと 懐かしい想いでした。
2022年(令和4年)8月23日(火)処暑 旧暦7月26日 NO210
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