
昨年は個展開催とコロナ感染予防で開催出来ませんでしたが、今年は亀山ショッピングセンターで開催出来ました。昨年の傘寿展は私にとって重要な節目の個展でしたが、「松溪塾書展」も 盆栽の山中蓬庵さんと門下生有志の協力を得て、15日、16日 普段着の展覧会が出来ました。
1987年(昭和62年)に第1回目の「盆栽と書展」をしてから35回目を数えますが、買い物帰りの一般の人が立ち寄って、見て下さる楽しい催しにしたいと思っています。
それとこの展覧会は私にとって これから何をどのように書くかと言う模索する試験場でもあります。「読める書」の大切さはよく言われることですが、今後 大衆の皆さんが 書道関係の人に求めることは、技術の鍛錬ばかりでなく その人が何を伝えるかと言う「メッセージ」だと思うのです。惰性的に人の書いた詩や言葉を書くのではなく、吟味した語句や自分の言葉を発掘しなければ、皆さんの支持は得られません。来場者の後ろ姿から その反応を見ながら、次の課題を探らせてもらっています。
村上三島先生が70代の頃だったと思うのですが、「この頃、日本人が書いた書に馴染むようになった」と言われたことがあります。私も先生の年齢になって、同じように感じています。自分の感情を表すのに 日本人の先人の書が相応しいように思って自然とその書体を真似ています。
良寛は元々好きでしたが、中川一政や須田剋太のような 里山の何処でも見られる「石の野積み」を思わすような書に憧れるようになりました。それが今回の書展の特長でしょうか。
2022年(令和4年)10月23日(日)霜降 旧暦9月28日NO214
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