虎から兎へ

「五黄の寅」で明けた令和4年もあとひと月。日光東照宮の「徳川家康生誕480年記念<芸術の虎展>」の出品要請もお断りし、ひたすら「筆戯三昧」の日々でしたが、意義ある一年を過ごさせて頂きました。

来年のエトはウサギ。子供の頃に読んだイソップ物語「ウサギと亀」に思い出があります。ウサギと亀が競走して、歩みの のろい亀に負けると言う話です。

私はその時、子供心に「僕は亀だ」と強く自己認識した。それからの長い人生で他人と競争することなく、「人は人、自分は自分」「認められようと、認められなくても」の「コツコツ歩く」流儀で押し通してきました。お蔭で自分の仕事が出来たと自負しています。

 

例年の行事になってしまいましたが、この時節になると 正月飾りの色紙書きです。線の訓練だけでなく 与えられた空間に自分のイメージをどのように構成するか、どのような言葉を添えるか、絵と書の融合をどのように測るのか 楽しみ乍ら描いています。

今回、喜ばれる言葉は「運気上昇」。知人のメールの内容から 拝借しました。

 

兎は 子供の頃からの馴染みの動物でした。いつも身近にいておもちゃのような感覚です。長い耳は音が集まりやすく出来ていてよく聞こえ、目は360度見渡せて 人間の8倍見えるそうです。鼻も人間の10倍の嗅覚があるといいますから、「絶対感覚」の持ち主です。あやかりたいものですね。

 

2022年(令和4年)11月22日(火)小雪 旧暦10月29日 NO216