第5回WBCの決勝戦でアメリカに3対2で勝ち優勝。3月9日の中国戦から観戦して、本物の野球を堪能しました。爽やかさが残った試合でした。
最高の技術を出しあって戦う選手に釘付けになりました。大谷翔平選手やダルビッシュ有選手の花形選手ばかりでなく、栗山英樹監督の人間性でまとまった日本チーム「侍ジャパン」は世界に誇れる人間集団です。

その余韻の覚めない頭で「王羲之はなぜ愛されるのか?」(4月号文藝春秋・鍋島稲子)を読んでいます。鍋島さんは今春 東京国立博物館と書道博物館の共催で開催される展覧会のスタッフで文中から王羲之への愛情と造詣の深さを感じました。
王羲之は東晋時代(317~420)に活躍した人で、私が書を習い始めた時から「王羲之は絶対よい!」とバイブルのように信じて勉強して来たのです。
自分の頭で理解したのではないと言う悔しさはズーと引きずったままです。
鍋島さんの文章で「解かったつもり」と「解かっている」は違うと認識しています。
「十七帖」は書道を始めたときからのライフワークで「「木簡残紙」に移行するまでの基礎を作ってくれた古典でしたが、「喪乱帖」は馴染みが薄く今回初めて臨書して見て改めて 優雅な書体に見惚れました。
2022年に国宝に指定された「喪乱帖」は精巧な敷き写しの手法・双鈎填墨の模本ですが、遣唐使が日本に持ち帰り、本物は唐の太宗がお墓に持って行ったようです。
我が庭の桜は昨日から開花して、刻々と蕾を開かせています。こんな嬉しい時期にWBC野球と王羲之を一度に見られる幸せを感じています。
小手先でない正々堂々とした戦いぶりと「今夜だけは憧れるのを辞めてトップになろう」と気合を入れた翔平選手の言葉は印象的です。
また、王羲之の名品から「解ったつもり」でいた薄靄をはらしてくれた出会いに感謝します。(3月23日記)
2023年(令和5年)3月21日(火)春分 旧暦2月30日 NO224
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